小説1
□うたかたの日々
3ページ/9ページ
間違いを、犯してきたなら謝るから、神様、
どうかあいつを俺に返して下さい
俺は毎夜違う男に抱かれる。
そいつを「ザックス」と呼び、抱き締めてイク。
なぁザックス、あんた怒るか?と。
泣きもしない俺を。
他の男の腕の中の俺を。
怒れないよね、
だってあんた居ないんだもん。
俺を抱き締めてくれないザックスなんて嫌いだ、大嫌い―・・・・
そしてザックスは夢の中でも逢ってくれなくなった。
夢なんて見ない。
ただ目を瞑って暗闇の中、黒く包まれてほんの少しの安心感で眠る。
あんたの夢なんてもう見たくないよ。
朝起きる勇気がなくなってしまう。
二本の腕が彷徨っても、笑って引っ張ってくれる人はもう居ない。
あんた、よくこんな俺を置いて逝けたね。
ほんとに辛い。恨んでやる。
もう俺なんて忘れたか?
だから逢いにきてくれないのか?
毎日毎日俺は死に続ける。
似非の快楽にももう、限界がきていた。
こんなんじゃ誤魔化せない!!
もっと!!もっと強いものを!!
あいつを消せる、強い闇をっ!!!!
俺はどんどん駄目になっていった。