小説1
□天の邪鬼
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「またあんたか…」
レノを見ると、あからさまに溜め息をついた。
ブーツには泥が着いている。
きっとまた大変な運び物だったのだろう。
「またとはなんだよー一緒に呑もうじぇクラウドー」
「あんた敵だろ」
「いーや仲間だぞっと♪」
「・・・・」
無言で隣に腰を降ろすクラウド。
それを見てレノは満足そうに微笑む。
「なに飲む?クラウド、と」
「あんたと一緒のでいい」
ティファは慣れた手付きでリキュールを混ぜていく。
コトンと置かれたグラスは鮮やかな、カシス色。
「あんたと同じだ」
クラウドはレノの髪の毛にグラスを寄せて、言った。
「…ピヨのくせに生意気だぞっと」
レノの頬が少し赤らむのを見ると、ティファは奥へと身を翻した。
「なんだよピヨって」
「ヒヨコのピヨちゃんだぞ、と」