小説1

□楽園
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「好きなんだよ、レノのこと」

不敵に笑うヤズー。
レノを見下す目。

「怒った?ヤズー、と」

「ちょっとね」

くすくす笑ってレノに覆い被さる。
しなやかな身体が、細いレノを押し倒していく。

「…また、スるの?」

「少し黙って」

「ん…」

締め切られたカーテンの隙間から、少しの陽射が漏れている。
繁殖を伴わない行為。
歪に繋げられた身体。
照らされる二人は、哀しい程滑稽に映し出された。

「レノ、好きだよ」

「・・・・・・」

「好きだってば」

「・・・・・ぅん」

長い睫毛が影を作る。
閉じられた薄い瞼。
まるでヤズーの言葉を拒否するように。
小さく、小さく振り絞った声。

身体はこんなにも簡単に繋がるのに。
ねぇ、どうしてだろう。
君と俺は、いつまでたっても、心通わないまま。

ゆったりとベットに身体を預けるレノの背中を撫でる。
滑らかな肌。
背骨をなぞる。
 
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