小説1
□純愛譚
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ルーファウスはいつもしかめっ面だ。
難しい顔して何かを考えてるような…そんな顔。
ふん…
「つまんない男…」
「ぇ?何レノ?」
「何でもないぞっと」
腕に絡み付くロッドを引き剥がして自分のデスクに戻る。
「レノ、ちゃんと任務報告してきたか?」
隣のルードがこっちを見ずに聞く。
「してきたよ、あのお坊ちゃん、まぢつまんねー」
「・・・・」
俺がそういうと、ルードまで顔をしかめて黙ってしまった。
「なによルーちゃん」
「いや…」
なんなんだよ言えよハゲ。
俺はルーファウスのところに行くと必ず機嫌が悪くなる。
だってあの男、つまらない。
レノ様を前にしたら誰だって嬉しそうに笑うのに。
あの男は、ルーファウスはいつも眉間に皺を寄せてこっちを見てる。
まるで汚れ物を見る目付き。
あの目で見られると、動けなくなる。
固まる。
引き返す為に、足をゆっくり動かすのが一杯一杯だ。
「胸くそわりぃ」
舌打ちをして、オフィスを出た。
ツォンさんの声が聞こえたけど、知らんぷりは得意なんだぞっと。