小説1

□君とぼく
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「ルード」

名前を呼べば無言で振り向く。
寄越す視線に高鳴る胸を、無意識に抑えて。

「・・・なんでもないぞ、と」

「そうか」

余計なこと一切口にしないあんた。
話題なんかないのに、無駄に話し掛けたりして。馬鹿な俺。

タークスに入って3年。
俺とルードはそりゃもー仲良しこよしだ。
気味悪いくらい。
でも笑えないことに、ほんとに気味悪い、俺。
あんたに今更、そんな気持ち、言えるわけないじゃん。

間抜けな話、俺、男の子だし。

「あ〜ほんっと馬鹿」

叶う筈ない恋に、ヤケ煙草なんか吸っちゃったり。
頭くらくらしてきた。

「男相手に恋なんて…俺ってキショい…」

誰も居ない会社のオフィスで、溜め息がやけに響いた気がした。
時計に目をやると、午前二時。

「か〜え〜る〜の〜め〜ん〜ど〜い〜」

机に顔を伏せて足をバタバタさせても、どうにもならない焦燥感。
もどかしい。でも。
対処法が、わからない。
女相手だったら速攻ベットインしてんのに。
ってゆうかルードとベットイン?
…意味わかんない。

 
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