小説1
□ヘヴィーベイビー
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朝、会社に向かう。
制服は特注。
靴は軽くて走りやすいジャックパーセル。
社員証を見せて会社の扉を開けると、黄色い声が飛んできた。
「キャーレノくーんw」
「かわいーっ!」
ぃゃぃゃ。俺がモテるのはわかったから。
でも男まで混ざってるのはなんで?
考えたくないぞ、と。
「ぉっおはようレノー♪」
「ぅぁいて!」
ばちんと背中を叩かれて身体がよろめく。
「ぁにすんだよ、ロッド」
「ィヒヒー今日も可愛いな、レノ」
…本来なら。
後輩に当たるこの男。
身体がちっちゃくなってから、コイツの腰辺りに俺の目線がある。
…正直ムカつく。
「元に戻ったら覚えてろよ、と」
「それ、何年後の話?」
ニヤついた笑顔のロッドの脛を思いっ切り蹴飛ばしてエレベーターに乗り込んだ。
「Σい゙っ…!!」
「バカロッドー!いーっだ!」
脛を抑えて蹲るロッドに舌出して指を立ててやった。
「ぁっ!ちょ…レノ待っ…」
ピシャン
容赦なくエレベーターのドアを閉める。
ふふん。ザマァミロ。これで遅刻決定だな、と。
ツォンさんに怒られてストレス死しろ。
俺がそんなこと考えてたら、
「あれ?レノじゃん」
後ろから声を掛けられた。