小説1
□灰になるまで
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出逢った頃より伸びた髪が
「こんなに愛してるっつってんのに、困ったヤツだな、と」
俺の肩に落ちる。
「まだ」
あぁレノ、
「まだ足りない?」
レノ、レノ
「気が済むまで抱けよ」
オフィスの床。
押し倒しされてる。
跨がるレノのお腹に欲望を突き刺して。
「はぁっ…」
妖しく揺れる細腰に手を添えると敏感に震えた。
「ロッド…愛してるぞ、と」
「・・・・・」
「愛してる…」
こうやって定期的にレノは俺に抱かれにくる。
ほんとはちっとも俺のことなんか愛してないの、知ってる。
でも、いいんだ。
いいんだよレノ。
もっと俺を利用して。
あんたが俺に依存すればする程俺はあんたに惹かれていく。
のめり込んで息もままならない底なしの沼に沈んでいくんだ。
「ロッド…」
あぁ。
抱き締めることを糸も簡単にこなしてしまうあんたは、まるで愛してるかのようで、ほんとは全然何も考えてないんだよね。