小説1
□灰になるまで
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タークスに入ってから、すぐレノと仲良くなった。
俺はホモでもなんでもなかったけど、レノのことは素直に綺麗だと感じた。
白い肌に走る赤いタトゥーをなぞる特権が欲しいと思ったし、青い目に俺以外を映して欲しくないとも思った。
独占欲。
表面上ではいい後輩、適度に抜けたいい友人を装いながら、俺のレノに対する気持ちは尋常じゃないくらい募っていった。
監禁して檻に閉じ込めて独り占めしたいとまで考えた。
檻の揺籠で俺の名前だけ呼べばいいとさえ思った。
日に日に大きく育っていく俺の中のどす黒い化け物。
歯止めを利かせる術も知らずに俺の心臓に巣くって離れない醜い塊。
俺は悩んだ。
誰にも言えずにずっとずっとレノとこの化け物のことばかり考えた。
暗い夜が明けて朝が来るのがほんとに嫌だった。
またレノに遭わなければならないんだ。
またこの化け物は大きくなってくんだ。
朝になると軽く絶望して、毎日愛しい筈のレノとの時間を窮屈に感じた。
そうだ。
限界だったんだ。
頭はレノでパンク寸前。
心臓の化け物は最早俺の身体を乗っ取る勢い。
そうなんだよ、限界だったんだ。
でも何故こんなことになったんだろう?
「お前は俺から逃げれやしないんだから」
あぁそう。
確かそう言ったんだ。
なんてことだろう。
レノはそんな俺を知っていたんだ。