夢小説
□貴方が愛しくて
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「はぁっ・・・・はっ・・・・」
とある学校の屋上に2人の男の乱れた呼吸音が響き渡る。
その男達のナリはとても普通とは掛け離れていた。
1人は金髪でカーキ色の白いファーがついたジャケットを羽織り、もう1人は黒い髪を風に靡かせ黒のズボンとワイシャツにベルトを締め肩には学ランをかけている。
極めて極一般的な服装とも言えるのだが・・・・問題は本人達の持っているものにあった。
・・・・・・金髪の外国人の手にはそれなりの長さのある鞭、黒の学生の手にはトンファーがそれぞれ握られていた。
学生らしき少年が地面を蹴り上げ外国人に向かっていく。
が、相手はそれをなんなく回避して鞭で少年の腕を締め上げた。
少年の口から微かだが嗚咽が漏れる。
「っは、お前も懲りねー奴だなぁ・・・・大人しく負けを認めろよ」
鋭い目つきで睨む少年。
「誰がっ・・・・!あなたなんか咬み殺す価値もないっ・・・・!」
「ほぉ、その価値もねー野郎にやられてるお前はなんだってんだ?」
少年はぐっと息を呑んだ。
今まで敗北を味わった事など1度しかなかった彼にとって自分が負けるなど実質上ありえなかったのだ。