〈君と僕。 あきら〉



クリスマスイブ。
私は恋人もいないので、幼なじみとか友達の、祐希と悠太と要と春と千鶴と一緒に過ごしていた。

そしたらなんやかんやでイベントの手伝いやらされるわ、借りたビデオはイベント会場に忘れるわで…なんか散々だった。

でも、そのビデオは東先生があきらさんと一緒に届けてくださった。いいこともあるもんだ。

「あきらさんって、ほんとに何者なんですか?」

私はあきらさんにココアを渡しながら、そう尋ねた。

だって、あきらさんって、すごく子供っぽいのに、
東先生のお友達だったり…
泥棒を一本背負いしちゃったり…
自分のことを「サンタクロース」って言い張ったり…

「あきらさん!答えてくださいっ!」

言いながら、なんとなく答えがわかっている気はしていた。

「サンタクロースでーす♪」

やっぱり…
そうとしか答えは返ってこないんですよね。

でも、気になるなぁ…
私が悶々と考えていると、あきらさんは私の顔を覗き込んできた。

「(近っ…!)」

私は思わず身を引く。
あきらさんはにっこり笑って、私にこう言う。

「そんなに知りたい?」
「え?あっ、はい!気になりますっ!」
「やめとけ!どーせ『サンタクロース』以外の答え返ってこねぇぞ!」

千鶴うるさい。

「じゃあ、耳貸して。」

あきらさんが手招きするから、私は耳をあきらさんに向ける。
あきらさんの顔が近くにきて、小さな声が聞こえてくる。

「ボクはね…」

チュッ

「へ?」

頬に何かが当たって、あきらさんは離れる。

「やっぱり内緒♪」

あきらさんの笑顔や、東先生の驚いた顔や、固まってるみんなを見て、やっと状況を理解した。

「っな…え!!?…ウソ!?」

私はきっと、今真っ赤だろう。

「うちの生徒に手を出すなよ?」
「あ、彼女はこーちゃんのものって?やだー、こーちゃん!」
「違います!」

もはや、東先生以外にツッコミはいなくなってる。

私はなんとなく、あきらさんの正体がわかった気がした。


無邪気な顔した悪魔だ!






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