=金色のコルダシリーズ夢=

□意地悪な彼
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「雨宮さんはずるいです・・・」



彼女がそんなことを言い出したのは昼を食べ終えてすぐのところだった。


今日は彼女を僕の家に招待していた。


この前、たまたま目についた雑誌を適当に捲っていると、デートスポットランキングなるものが書いてあって、上位には「遊園地」とか「水族館」とかオーソドックスなものはたくさんあった中で、なぜか一位が「おうちデート」というものだった。


彼女を家に呼んだことは何回かあるけど、デートとして誘ったことはなかったし、もしかしたら喜んでくれるのかも知れないとおもって、誘ったら彼女が笑顔で応じてくれて。
手料理を作ってもらう、というおまけつきのデートになった。





窓から入ってくる風が涼しくて、少し強い意ざしがまぶしい。


キッチンからは皿同士が控えめに触れ合う音がきこえる。


・・・彼女はすねてしまったままだけれど。



このまま時間を消費してしまうのはあまりにもったいないので僕は席を立った。



隣にたって、声をかけるとあからさまに顔を背けられた。

さすがにここまであからさまだと苦笑いするしかないかな。

「謝るから、いい加減に機嫌を直してくれないかな?」


「謝らなくていいですよ、雨宮さんのせいじゃありませんから」


「じゃあ、どうしてこっちを向いてくれないの?」


「知りませんっ」


・・・このままじゃ相手にしてくれなさそうだな。


僕は蛇口をひねり、水を止めた。


「あっ・・これじゃ、洗い物ができません・・」


「うん、だからそうしたんだ」
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