Syusai-S-


□カラオケ
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息抜きは今の俺達にとって必須だと言えよう。
ここ数週間、全く休みなしで仕事場にいる。
段々会話も減ってきて、今では完全に沈黙状態だ。

「なあサイコー。息抜きにどっか行かね?」
「……そうだな。行こうぜ」

といっても特に行く場所のなかった二人は、

とりあえず近場のカラオケ店へ行くことにした。


「なに歌おっかなー。やっぱアニソンかな」
「ドラゴンボール?」
「ああ。サイコーも一緒に歌おうぜ」

前回見吉と三人で来た時も二人は古いアニソンばかり歌っていた。
今回もその流れだろう。
秋人は摩訶不思議アドベンチャーを入れ、早速歌い出した。

(シュージンって以外と歌上手…)
最高は思わず秋人に見とれてしまった。
「やっぱアニソンはいいなー!ほら、次最高だぞ」
「あ、うん」

言われてマイクを受けとる。
と、何故か最高の顔が赤い。
「サイコー、どうした?」
「えっ?あ、うん。あのさ……笑うなよ……?」

(何が?また古いアニソン入れたんじゃねーの?)
という秋人の疑問は、画面に表れた文字によって解決された。

「サイコー……意外、というか…」
「わっ、悪いかよ!好みは人それぞれだろ!」

画面に表れたのは、今人気らしい「VOCALOID」というやつだった。
少し聴いたこともあるが、正直何を言っているのかわからなかった。

(でもサイコーが歌うならVOCALOID曲も悪くない!)

恥ずかしそうに、それでも熱唱している最高を見て、秋人は思わず頬を緩めた。
画面のPVを見ると、5人の女の子が踊っていて、ミニスカートがひらひらと揺れて
いる。

(あれ、サイコーが踊った方が絶対可愛いよなー……)

熱唱している最高を横目に、不謹慎なことを考えまくる秋人であった。



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