黒バス


□気付かないまま、
2ページ/2ページ

「んん………、む、はあ……っ、」
「テツ………、テツ、っ」
「ん、なんですか………っ?」

無意識に彼の名を呼ぶ。自分だけが呼ぶことを許された名で。

俺のものから口を放して、荒い息で薄い胸を忙しなく動かしているテツが俺を見上げた。

彼の顔は何も表さない。けど、何もないわけじゃない。
引き込まれたのはその瞳だった。
真っ直ぐにボールを見つめていたその目。

そして引き込まれたのは俺だけじゃない。
黄瀬も、緑間も、紫原も、そして赤司も。


「………俺だけ見てろよ、」
「んぐ………っ、ん、あ……、」

テツの後ろ髪をつかんで、中途半端に放置されたそれに再び口元を押し付けた。

奥までくわえさせられて、喉の奥に先端が当たるのだろう、テツは涙目で嗚咽を洩らしながら従順に舌を這わせた。

「……………っ、テツ、出すぞ……、」
「んん………、ふ、」

俺の限界を感じ取ったのか、テツの舌先が感じやすい先端ばかりをつつく。

ちゅっ、と音をたてて吸われ、逃げる気なんてないテツの頭を片手で拘束して俺はイッた。

最初から飲むつもりだったらしいテツは、特に驚いたり苦しんだりする様子もなく吐き出されたそれをごくりと音をたてて嚥下し、飲み切れずに口端に溢れ出た俺の白濁を指先ですくって迷わず口に含んだ。

「………うまいのか、」
「ん……、そんなわけないでしょう。口をすすぎに行ってもいいですか、?」
「はっ、全部飲み干したくせによく言うな。行って来いよ」
「…………はい、」

がちゃがちゃとベルトを締める俺を横目にテツが立ち上がる。

小走りで駆けて行くその足音を聞きながら、俺はテツの帰りを待った。

次はテツが気持ち良くなる番。
きっと陶然とした表情で戻ってきて、自分から誘ってくるに違いない――――


戻ってきたテツの足音。

一心同体なんだろ俺等は。

俺が求めている分だけ、お前も俺が欲しいんだろう。



そんな青峰を黒子が何も映さない瞳で見ていたことにも気付かずに。

前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ