黒バス
□残像
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「………青峰くん、」
「あ?」
「青峰くんは、好きな人とかいるんですか……?」
「はあ? 何言ってんだお前」
気付けば僕は彼の腕の中。
一番落ち着くお気に入りの場所。
意味がわからないと言うように眉間に皺を刻ませる君。
やっぱり似ていないね?
僕が好きなのはどっちの君だろう。
バスケをしている君と日常を気だるく過ごす君。
バスケをするとあの二人は途端に似る。
僕が火神くんを好いているのも、そういう理由から?
だったら僕が好きなのはバスケをしている青峰くんだ。
じゃあ、今目の前にいる青峰くんは?
腕を伸ばして彼の頬を包み込む。
瞼を閉じれば、「俺の好きな奴なんざあ、そいつが一番知ってるだろ」と言って優しく唇を重ねられた。
ああ、僕はどっちが好きなんだろう。
彼の体温に包まれながら、意識は外を向いたままで。