Syusai-N-
□浮気疑惑?
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「シュージン、ネームどう……」
自分の作業に区切りがつき秋人に進行状態を聞いた最高だったが、
疲れからか秋人は眠っていて返事は返ってこなかった。
「最近シュージン、徹夜だったもんな……」
秋人を起こさないようそっと布団をかけ、自分も寝ようかと思った最高は
ネームの横に投げ出されている秋人の携帯に目がいった。
二人はたまにメールをするがそれは用件を伝えるだけの簡素な内容で、
第一ほぼ毎日会っているのだからまずメールをする必要さえなかった。
だが、秋人だって最高以外のメール相手も少なからずいるはず。
メールと実際会話するのとではまるで人格が違う人もいるようだし、
最高は秋人がどんなメールを打つのか少し気になって彼の携帯を手に取った。
(なんか俺、浮気を確認する女子みてぇ……)
そう思ったが、やはり好奇心には勝てなくて最高は携帯を開いた。
「なっ……!いつの間に!」
思わず声をあげてしまった。
何故なら待ち受けが、写メったものであろう最高だったからだ。
いつの間に撮られたのか、
というよりなぜこんなものを待ち受けにしているのか。
(犯罪だろ、隠し撮りって……)
と思いつつも最高は待受をそのままに受信メールを開いた。
が、見ない方がよかったかもしれない。
受信メールはほとんど女子からだったからだ。
見吉ならまだ許せるのだが、それは最高の知らない女子の名前で、
少し泣きそうになった。
(まだ浮気って決まったわけじゃないし……)
まるで女子のように、嫉妬と疑惑がどんどんつのっていく。
送信メールだけを見るつもりだったのだが、まず誰とメールをしているのかが気になって受信BOXを開いたのが間違いだった。
見てはいけないとわかりつつも、最高は内容を見ようとメールを開いた。
「俺の話?……受けってなんだ?」
浮気かと疑っていたメールには全て最高のことが書いてあって、
とても浮気を連想するには無理のあるメールだった。
それに加え最高の知らない単語ばかりで、意味を理解することすらままならない。
「BL?ツンデレ……はわかるけど、クーデレってなんだろ……?」
もしかすると悪口かなにかだろうか。
だが、文面はハートの絵文字でうめつくされている。
いくらなんでも、悪口を言うのにハートを使う人はそうそういないだろう。
最高はひとまず秋人の送ったメールを見てみることにした。