Syusai-N-


□そんなの分からない
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「女みたいって……。言われたら普通に嫌だろ」
「まぁ確かに嬉しくはないかもな」
「分かってて言ってんのかよ……」
「俺、女みたいとか言ってねえじゃん」
「男なのに、って同じような意味だと思わない?」

声から不機嫌を露にする。
最高は自分の腹にある秋人の手をとると、
そのまま下腹部まで何の躊躇いもなく持っていった。
秋人の手には当然、布越しにだが最高のアレが当たるわけで。

「サ、サイコー?!」
「友達に、お前ほんとは女だろ?ドラマみたいに。って言われたこともあるけど、ちゃんと付いてるしっ!」
「あ、あー、そうだな。付いてるよな、そりゃあ。だから取り合えず手を離そう」

(このままじゃ俺の下半身がやばい!)

なんとか手は離せたが、最高の表情は浮かないまま。
秋人だって女みたいと言われて嬉しいなんて思わない。
ただ最高に対するその言葉は決してからかっているわけではないだろう。
それほどに最高は魅力的で、ただその表現の仕方が
「女みたい」という言葉でしか表せなかっただけなんだと思う。

「シュージンは俺が女みたいだから好きなのか?それとも、女みたいな男が好きなのか?」
「……どっちも違う」

全部違う。本当は容姿とか性格だけじゃない。
言葉では言い表せなかったのだ。
いつものふざけ合いかと思った。
けれど今目の前にあるのは最高の真剣な眼差し。
決してふざけてなどいない。
だから、秋人も真剣に返さなければいけない。

「一目惚れだった。どこに惚れたかなんて、俺だって分かんねえよ。でも、好きになった。こんなにも」
「シュージン……」

最高の瞳がわずかだが少し揺らぐ。
秋人は最高の肩にそっと手を置いて、顔を近付けた。

「だから、さ。サイコー……」
「シュージン………?」

真正面から熱っぽく囁く。
明らかに最高が照れて秋人から視線を外す。

「……しようぜ?」
「…………ねぇ、」

最高が秋人の手首をつかんでゆっくりと下ろす。
そして何故か膝立ちになると、最高の眼前に来た秋人のモノをズボンから取り出した。

「サイコー……?!」
「シュージンも好きだよな、フェラ………」

ごくり、とやけに大きく聞こえた自分の喉が鳴る音。
目を閉じてちゅっとそれにキスする最高の姿は、秋人には刺激が強過ぎた。
くちゅりと音を立てて口内に含まれた秋人の昂り。
目尻にうっすらと涙を溜めて必死にそれを舐める最高。
秋人は一気に絶頂まで登り詰め、悪いと思いつつも最高の口内に精液を放出した。
ねばねばとしたそれにむせながらも、
最高が秋人を上目使いで見つめながら何かを言い出した。

「ふっ……シュージンッ、……はぁっ、俺も……。俺も、一目惚れだった……っ」
「!」

理由なんて結局は後付け。
本当に大事なのはその時の気持ち。
ゆっくりと床に押し倒された最高は、
秋人に漫画家になろうと誘われた時の事を思い出していた。
そしてゆっくりと床に最高を押し倒した秋人は、
最高が描いた亜豆の絵を見た時のことを思い出していた。
そしてその後はお互いに真っ白になる感情の中で、
好きという感情だけが二人の胸を満たしていた。

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