41章〜
□準備
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ディン「燎龍淵は…その、なんていうか。単刀直入に言うと、最高難度級のダンジョンってところだね」
ディン「理由は、燎龍淵で普段から暴れてるドラゴンポケモンに起因するね」
イミル「…めちゃくちゃ物騒なところだね」
ディン「ううん、そうじゃない。燎龍淵にいるポケモンたちはただの遊んでいるだけなんだ」
ディン「弱点をつけるポケモン同士が、鬼ごっこやかくれんぼ感覚で戦ってる」
ディン「なんとなくわかったでしょ?」
イミル「…うん」
シャウラ「…あれ?そういうことなら、別に凶暴ってわけではないんじゃないか?」
ディン「そうだね。戦うのが好きなだけっていうか」
シャウラ「それじゃあ、別にダンジョンとして難易度は上がらなくないか?襲いかかってくるわけでもないんだろ?」
ディン「それがそうじゃないんだよ」
シャウラ「え?」
ディン「燎龍淵のポケモン達はわざわざこう公言しているんだ」
ディン「『俺たちはお前らとも遊ぶぞ』ってね」
シャウラ「つまり、戦えと」
ディン「そゆこと。まぁ…あくまで遊びたから、死ぬまで襲ってきたりはしないし…」
ディン「緊急事態にはむしろ手を貸してくれるようなポケモン達だよ」
ディン「燎龍淵の中で倒れても、その場で回復してくれて、入り口まで帰してくれるから」
ディン「危険じゃないけど難しいって有名」
ディン「そんなこんなで、腕試しとしての用途が強い場所なんだよ。燎龍淵のポケモンもそういうポケモンを歓迎してるし」
シャウラ「そんな場所にどうして俺たちが…」
ディン「それは知らないよ。ただ、あの二組が依頼主で、グレイズが呼ばれて、なおかつ引き受けたってことは、ただ事じゃないなって」
ディン「あと、僕たちが呼ばれた理由は僕にもわからない。それは僕だってびっくりしてるんだから」
シャウラ「ああ、そうだった。あまりにも詳しいからつい」
ディン「だから、ほとんど周知の情報なんだってば。僕が特別詳しいんじゃなくて」
イミル「でも、私たちの中では一番物知り」
ディン「…そうなるけども……」
ディン「…まあ、話せることはこれで全部だよ。まだ何か聞きたいことは?」
イミル「私は十分かな」
シャウラ「俺も」
ディン「ん、それじゃあ基地に帰ろうか」