41章〜

□レッテル
2ページ/3ページ



シャウラ「……………」


リックの口へと慎重に運ぶ

状態異常ということで

眠りが覚めることと

この身体の両方が

治ることを期待しての行動だが…


シャウラ「…よし。流し込めた」


シャウラ「どんな感じだ?」


ディン「んー…」


いやしのタネは効果が早い

効き目があるならすぐにわかるはずだ


ディン「…! 効いたみたいだ」


ディン「瞼が動いてるね、もうすぐ起きると思う」


後者の効果は無さそうだ


リック(リオル)「ん…んん……」


シャウラ「リック…リック?」


リック「…?……あれ…?」


シャウラ「よかった、起きたな」


リック「起きた…? 俺は……」


ディン「えーっと…何から説明しようか」


ディン「いろいろ大変なことになってね…」


リック「…?」


リック「君は誰だ…?」


ディン「…まだ少し寝ぼけてるね。少し待つよ」


リック「…?」



…………………



ディン「…どうお?覚めた?」


リック「ああ、妙なぼやつきは治った」


リック「そろそろ教えてくれないか。君は誰なんだ?」


リック「気を失って前後のことを少し覚えてないんだ。だから詳しく教えてもらえると…」


ディン「僕はディンだよ」


リック「…ディン?」


ディン「そう。シャディルのディン」


リック「…えっ、でも」


シャウラ「ピカチュウだったはずだよな」


リック「そう。…あれ?」


リック「…感じが変わったか…?」


シャウラ「ん?」


リック「イミルだよな?」


シャウラ「いや、俺はイミルじゃない」


リック「…??」


ディン「現時点でわかってることを全部話すよ」


ディン「とりあえず、自分の身体を見てごらん?」



……………………


………………


……………………



ディン「〜…。 とりあえず今わかってるのはこれくらい」


リック「…。」


ディン「事態は飲み込めた?」


リック「…ああ。大丈夫だ」


リック「把握はした」


リック「…理解は到底できないが」


ディン「話が早くて助かるよ」


リック「まさか退化するなんてな…」


ディン「不思議なことがあるもんだよね」


リック「…一つ聞きたい」


ディン「なに?」


リック「この…リオルっていうのは、波動は使えないものなのか?」


リック「身体を確認してからずっと試してるんだが、一向にできなくて…」


ディン「…どうなんだろう?上手く扱えないって言うならありえるだろうけど…」


ディン「…流石に、全く使えないことはないと思うよ?」


リック「…そうか」


リック「だとしたら…これはおかしいな」


リック「使えるような気はするのに、全く出てこないから物凄い違和感なんだ」


ディン「急な退化が変に作用してるかもしれないね」


リック「…慣れる可能性を待つか」


リック「それで…どうするんだ?」


ディン「これから?」


リック「ああ。起こすんだろ?」


リック「このまま順番に起こし続けるのか?」


ディン「そのつもりだけど…」


リック「…確かに、騒ぎたくないって気持ちは分かるが」


リック「全員で動けない状態が続くのもあまり良くない気がするぞ」


ディン「そうだね…」


ディン「よし、手分けしよう。確かに一匹ずつは効率が悪い」


リック「わかった。それじゃあグレンとミドリは任せてくれ」


リック「…話が絡まらないように少し離れよう」


シャウラ「えっ、一匹ずつに分けないのか?」


リック「…この二匹なら俺だけで大丈夫だ」


リック(…というか、俺じゃないとあれが…)


シャウラ「え?」


リック「何でもない、サファイアを頼んだ」


ディン「うん、わかった」
次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ