41章〜

□照合
3ページ/3ページ



「「…!!!」」


ニザ「…どうした?自白か?」


バレット「いいえ、もちろん違います」


バレット「私じゃなくても、幻影が使える者はいますから」


バレット「…あくまで推測ですが」


バレット「光は囮で、その裏で気を失うような道具を使われたんじゃ無いでしょうか」


バレット「バクスイのたまとか…」


リック「どうしてそんなことを…」


バレット「それは…わかりませんね。」


バレット「燎龍淵の混乱に乗じて、誰かを狙ったのかもしれませんね」


バレット「誰か、狙われている覚えはありませんか?」


………‥‥……


バレット「…反応がありましたね。なら、その可能性は考えられます」


パール「えっ、そうなの? 誰??」


バレット「言及は避けてください。少なくとも今は。」


バレット「疑念をお持ちのご自身で、もう少し整理されてからの方が良いでしょう。間違えた答えを現すと、真実から遠ざかってしまいます」


パール「ふーん…わかった」


アメジスト「でも…ちょっと待って」


アメジスト「私たちのこれって、本当に幻影だけが原因なの?」


アメジスト「力も出なくなって、気を失って…」


アメジスト「目線の高さとかもすっかり変わっちゃって、とても幻影だけのせいとは思えないんだけど…」


バレット「…今まで、幻影を被ったことはありますか?」


アメジスト「え?えっと……ない、かな」


バレット「うーん…。」


バレット「…今後のために、幻影の効果をはっきり示しておくべきですね」


バレット「アメジストさん、失礼いたします」


アメジスト「えっ…えっ、何」


バレット「ご無礼をお許しください。…っ!」


アメジスト「痛っ?!」


「「?!」」


なんだ…?!
アメジストが一人でに痛がったぞ…?


アメジスト「…! どうしてぶったの?!」


バレット「いえ。私はここから動いていません」


アメジスト「えっ?!…でも、今!」


リック「いや…バレットは本当に動いてないぞ…」


ヒスイ「…お前が一人で痛がってるように見えた」


アメジスト「っ…なんで…」


バレット「…大抵の生き物が、思い込みで死んでしまえる。…このことはご存知でしょうか」


バレット「幻影が騙すのは、視覚だけではありません。思考の制御ではどうにもならない、全ての感覚を騙します」


バレット「思い込みは…時に現実を上回ります」


バレット「…これだけ明かしてもなお、頬は痛みますか?」


アメジスト「……うん…」


バレット「それが、理解だけではどうにもならないという何よりの証拠です」


バレット「頭で理解できても、身体の感覚は修正できません」


アメジスト「…。」


アメジスト「…幻影が…ここまでのものとは知らなかったな…」


アメジスト「…うん、わかった。私たちの状況は本当に"幻影のせい"なんだね」


バレット「はい。…伝わりましたね」


バレット「このような特性があるため、もし幻影を把握したとしても、迂闊に油断しないでください」


バレット「致命的な油断を生むことになります」


バレット(…あの時、命拾いしましたね)


ヒスイ(っ!?………)


…?? 今の間は…?


バレット「とはいえ、失礼な幻影を見せてしまい、申し訳ございません」


バレット「改めてお詫びはいたしますが…一先ず、隣に置いたきのみで癒してください」


アメジスト(??、こんなところにオボンのみが…)


バレット「…皆さん、状況理解はいかがでしょうか」


バレット「わからないことが残っているのなら、まだ質問を聞きますが…」


リョク「まだまだ質問はあるんだけど…」


リョク「この状況を解消する手段があるっていうのが気になって…。今すぐできることなの?」


バレット「はい。…そうですね。」


バレット「質問の方は一旦区切りにして、皆さんの身体を直しましょう」
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ