短編小説
□きもだめし
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中は意外と暗くない。
といっても、月明かりがさしてギリギリ道が見える程度だが…
それに、どうやら一本道のようだ。
幸い、迷うことはなさそうだ。
あとは…所々からポケモンの声らしき音が聞こえてくるぐらいか…
「噂ほど、変わった森じゃないな…」
少し安心はしたけれど、やはり少し寂しいのだろうか。無性に声がだしたくなる。
「とりあえず、見える程度の道を進んで帰るか…」
そう決意し、森の奥へ進んで行くことにした。
…が、奥に行くにつれ、だんだん不安になってきた。
さい先こそよかったものの、少し異変が起こり始めた。
徐々に森が大きくなっていく気がするし…
何か絡まったのか、歩きにくいし…
暗さは増すし…
何よりも怖いのが笑い声のようなのが聞こえる。
【クスクス…】
【フフ……】
気味悪くなってきたな…
もうそろそろ折り返そうかな…
…ん?そういえば…
笑い声が聞こえてぐらいからポケモン達の声が聞こえないような…
…今はそれどころじゃないか…
そして、俺は引き返すことにした。
いつの間にか、歩きにくさも解消され、素早く帰路につけそうだ。
【よし…帰ろう。】