41章〜

□霧取引
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直後、レントラーが率いた医療班は、早急に手当を行った。


状態は細かく触れないが、とにかく、前足に変な角度がついているのは見ていられるものじゃない


相手チームがそうあたふたしているまでのこの間、シャウラ動かない


ただ、虚ろだ


ディン「シャウラ?…大丈夫なの?」


ディン「おーい!ちょっとー?」


シャウラ「…! あ、えっと…」


ようやくこちらに気がついた


イミル「…ねぇ、ディン。シャウラは…」


ディン「今気がついたみたいだよ」


シャウラ「…気がついた…?」


シャウラ「…あれ…?」


ディン「…どうしたの?」


シャウラ「わからない。ただ…ぼーっとする」


ディン「…」


シャウラ「…今、どういう状況なんだ」


ディン「君がレントラーを吹っ飛ばしたんだよ」


ディン「ほら」


シャウラ「!」


状況を聞くと同時に、レントラーを捉え把握した。


シャウラ「…あれを俺が…?」


シャウラ「…ちょっと行ってくる」


そして、レントラーの方へ歩いていく


ディン「やっぱり変だ…」


イミル「なんだか上の空だね。どうしたんだろう」


ディン「うーん…」


シャウラ「…あの」


「ッ!!」


声をかけた途端

レントラーを囲んだポケモンが一斉にこっちを向いた

何匹は目を見開いて

何匹は驚いて

何匹は後ずさりをして


シャウラ(…俺は何をしたんだ…?…!)


そして、レントラーの容態を目の当たりにする


レントラー「…何だ?」


シャウラ「その…悪い。まさかこんなことになるなんて…」


レントラー「おい、やめてくれ。勝ったやつが謝るなよ、惨めになる」


シャウラ「あっ…ごめん…」


レントラー「っははははは!なんだよ、これを気にしてんのか?」


シャウラ「えっと…」


レントラーは妙な汗を流している

顔色もかなり悪い

それが何を示すかは探らない


レントラー「ははは!今更なんだよそれ!」


レントラー「俺なんかお前を殺す気で戦ってたんだ。お互い様だろ?」


シャウラ「え?!」


レントラー「冗談だ 」


シャウラ「びっくりした…」


レントラー「まあ、冗談が言えるぐらいには元気ってことだ。それにルール無しの試合を申し込んだのは俺の方なんだし、気に負うな」


シャウラ「…わかった。…ありがとう」


レントラー「こちらこそ、急な依頼を受けてくれてありがとう。ただ、今日の内容には納得いってねえからな。いつかまた挑むぞ?」


シャウラ「…?」


レントラー「もうあのマグレは使うなよ?」


シャウラ(マグレ…)


シャウラ「…ああ。わかった」


シャウラ「…それじゃあ、俺たちはそろそろ帰還するよ」


レントラー「わかった」


シャウラ「…お大事に」


レントラー「任せろ」


……………


………
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