41章〜

□疎或密
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基地


シャウラの要望通り、あの後速やかに帰還した。


どういう意図であれ、こうすることで、シャウラが言い篭っていることを誰かに明かすはずだ


でも、多分


きっと、相手は


シャウラ「シキ、ジル…いいかな…」


ジル「…いいよ。おいで」


ディンとイミルは
体を癒すものを探すとして

席を外している


このタイミングだ


シャウラ「二匹は…ユウのことを知ってるんだよね…?」


シキ「…」


これで疑いは確定した

ユウは。動いている。


ジル「…」


解答を、シキに振る

ユウを特に庇っているのは

シキの方であるからだ


シキ「……。………。」


シキ「…ええ。ユウは…私たちの…」


仲間だと言いたい。
仲間だと言いたい。

しかし、それは

シャウラの様子を見たそれは

その発言は

完全に、間違っている


シキ「…仲間"だった"…ポケモンよ…」


ジル「…」


見せてはいけない葛藤

いかなる誰にも

詳しくを知られてはいけない

なぜなら


シャウラ「仲間…?! それじゃあ…!」


ああ、この反応だ

この反応だからだ

目を背けたい反応

認めたくない反応

今から彼らは

庇いたい彼に

敵対することになるであろう

…そういう…反応…

ユウ…あなたは一体…


ジル「…待ってシャウラ」


ジル「僕たちに気を遣って…そのことをあの場で話さなかったんだね。それって…」


シャウラ「それは…えっと…」


ジル「…謝らなくてもいいよ。これは…僕たちの管理不足だ」


ジル「手紙をみたんだね?」


シャウラ「……うん」


ジル「…辛い思いをさせたね。…本当にごめん」


シャウラ「…」


ジル「…詳しく話すよ。ユウは…」


シャウラ「ちょっと待って。…確かにそういう懸念もあるんだけど」


シャウラ「それ以上に、本当に混乱してるんだ。どう話したらいいことなのかって…」


シキ「…え?」


シャウラ「みんなの見えないタイミングで俺は捕まえられた」


シャウラ「口を塞がれて、引きづられて…」


シャウラ「それで…」
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