41章〜

□既手中
2ページ/3ページ



細心の注意を払う


いつ襲われるかもわからないこの状況で


何が起きてもいいように。


傷一つつけさせない覚悟で


二匹は特に、広い空間に神経をとがらせていたが


その警戒は裏切られた


シャウラ「…! あれか」


ディン「あった!泉だ」


シキ「…え?」


イミル「ねえ!もしかして言ってた泉ってもしかしてあれ?」


シキ「え…ええ。…そうね」


シャウラ「よかった、何も起きなかったな」


シキ(…何も起きない…?)


シキ(この悪霧の状況で…? そんな訳…!)


ジル(何だ…どういうことなんだ…?)


シャウラ「納品って…あの水を持って帰ればいいんだよな?」


ディン「そうだよ、早速これにくもう」


ジル(…僕らの取り越し苦労だったのかな…)


シキ(…そうかもしれないわね…すこし怪しいとは思っ……!!!)


「ーーーーーーーーーーッ!!」


っ!


ディン「…!」


シキ(…ジル!)


ジル(悲鳴だ!!)


ディン「ねぇ、今なんか…」


ジル(…少し遠いよ…!)


シキ(何かがいるかもしれない!いきましょう!)


ジル(うん!)


ディン「声が聞こえなかった?」


シャウラ「声?」


イミル「さぁ、何も聞こえ」


シキ「そこで待ってて!直ぐに戻る!」


ディン「えっ?今何て」


イミル「わわっ!シキ?!どこ行くの?!」


イミル「どうしよう?!どっかいっちゃったよ?!今なんて言ってた?!」


ディン「わからない…ついていこう!」


イミル「だって!シャウラ!行こう!」


シャウラ「えっ、ちょっと?!」


シャウラ「ーっ?!」


イミル「待ってよー!」



誰も傷つけまいと

注意を向けていたそれは

ただ一度の不和で

果たせず

その警戒は

裏切られた
次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ