41章〜

□掌之上
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ラフィ「ユウサン、整イマシタ」


ユウ「ん」


シャウラ「やめろ!何をするんだ!!」


可能な限り姿を追ったが

背後に回られ

ユウはすぐに視界から消えてしまった


ユウ「いくつか…答えて欲しいことがある」


シャウラ「そんな言うこと聞っ…く…ぁ…っ……」


言葉が急に詰まる

…いや、でてこなくなった


ユウ「ラフィ、どうだ?」


ラフィ「ウーン…」


プツプツと意識が途切れる

にもかかわらず

感覚だけが妙に鮮明で

言い表し様のない何かが

俺の言葉を遮る


シャウラ「っ……ぁっ……あ…っ…」


ユウ「…あまり負担をかけるなよ」


ラフィ「ハイ」


真っ白になって

頭にノイズが

何も


ラフィ「………ッ!ユウサン!」


ユウ「!…やっぱりそうか…」


シャウラ「…っ………っ……」


ユウ「もう大丈夫だ。後のも頼むぞ」


ラフィ「ワカリマシタ」


ユウ「…っと、辛いな、もう少し待ってくれ」



もうす



も うすぐ?


少…


ユウ「…よし、もう戻るな」


ユウ「質問だが、まずは…」


シャウラ「っ!」


途端、霧がかっていた意識が突然晴れる


シャウラ「……?………」


同時に

倒錯した記憶が空白になる


シャウラ「…おい、俺に一体何を…」


ユウ「俺の質問に答えてからだ」


シャウラ「…」


何というか

適う気がしない


ユウ「元人間だよな?」


流れに従い

時間を早く通した方が

いいのかもしれない


シャウラ「…ああ」


ユウ「エールに会ったか」


シャウラ「会った」


ユウ「お前について何か言わなかったか?」


シャウラ「…知らない種族だと、言っていた」


ユウ「知らない種族ね…」


ユウ「…よし、じゃあこれで最後だ。お前のそれは、本名か?」


シャウラ「…わからない」


ユウ「成る程。よくわかった」


ユウ「ラフィ」


ラフィ「ハイ」


シャウラ「あ、おい!待て!」


ユウ「ん?」


シャウラ「俺に何をしたんだ!それを教え…ろ…っ?!」


また違和感

しかし、今度は意識が途切れない

恐らく、非物質の何かを

入れられている


シャウラ「〜〜〜!!!やめろ!やめてくれ!!」


味わったことのない

未知の恐怖

とてつもなく恐い

汗腺が開いて

心地の悪い冷えを感じる


シャウラ「さっきから…!!何をしたんだ!!言え!!!」


感覚が無くなった

つまり俺に何かをし終えた

気が動転して言葉が荒くなる


ユウ「悪いな、それは言えない」


シャウラ「…!! お前がさっき、質問に答えてからだって!!」


ユウ「そうは言ったが、答えるとは言ってない」


こいつ…!!


ユウ「それよりいつまでじっとしてるんだ、もう動けるぞ」


! …確かに動ける…

…だったら!!


シャウラ「ッ!!」


ユウ「うわっ!」


ユウ「ちょっ…急に暴れるなって!」


シャウラ「…!!!」


ユウ「いっ?!」


ラフィ「切レテマスネ」


シャウラ「当たり前だろっ!!話せ!!!」


聞かないと…!

何をされたか…聞かないと!!

恐い…!恐い…!!


ユウ「焦ってるだけだろ。危っ!」


ユウ「まあ、シキたちも探してるだろうから早く戻ってやれよ。俺たちは戻るからさ」


シャウラ「待て!!」


ユウ「じゃあな!」


シャウラ「うわっ!」


直後、何かを地面に投げたかと思うと

強力な光が発生した


シャウラ「ぅっ…」


光を直視してしまい眩んでしまった

そして、視界が戻った頃には

ユウたちの姿が消えてしまっていた
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