御伽の国のアリス
□マッド・ハッター・・・
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・・・なんか、昨日と雰囲気がちがう・・?
「きづいた?この森はうごくんだ・・というか生きてる」
「生きてる?」
『生きてるよ。』
『おはよう。アリス。』
!?
どこから声がするの?!
「足元をごらんアリス」
愛里子は視線を地面に落とした
『うふふ。昨日はぐったりしてたみたいだけど、大丈夫そうね』
そこにはたくさんの花が咲いていて
それはそれは鮮やかで
たくさんの声が聞こえる
『おかえり。アリス』
『おはようアリス』
「この花たちはみんなアリスを待っていたんだ。きっとよっぽどうれしいんだろうね、こんなに騒がしいのは久しぶりだ!」
チェシャ猫も
なんだかうれしそうにみえて
愛里子はちょっぴり頬を赤らめ
嬉しい
と、いつ以来か閉じた感情を開きはじめていた。
森の小道を抜けると
湖の近くにでた
「きれい・・・」
愛里子の心からの声だった
「そうだろう?ここの湖は穢れることをしらない・・・今の女王に変わるまでは・・・」
「どういうこと?」
「ここはまだきれいだが、城に近づけば近づくほど、水は濁り、草木は枯れ、臭気をはなっている」
そんな・・・
こんなに美しいのに
・・・何て酷い
愛里子の顔はみるみるうちに悲しみに染まった。
「大丈夫!アリス!きみが、きみならこの湖だって救えるさ!」
根拠の無い
チェシャ猫の励ましに
また笑顔に戻った愛里子
「さあ、もうすぐで仕立て屋につくぞ」
また歩き始めたチェシャ猫と愛里子。