響想録

□07
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特技は、授業をサボること
趣味は、授業のサボる時間は読書をすること



想録07








『祗園精舎の鐘の声 諸行無常の響きあり 裟羅双樹の花の色 盛者必衰のことわりをあらわす
おごれる人も久しからず ただ春の夜の如し
猛き者もつひには滅びぬ、ひとへに風の前の塵に同じ。
遠く異朝をとぶらへば、秦の趙高、漢の王莽、梁の朱、唐の禄山、これら
は皆舊主先皇の政にも従はず、楽しみを極め、諫めをも思ひ入れず、天下
の亂れん事を悟らずして、民間の憂ふる所を知らざりしかば、久しからずして
亡じにし者どもなり。
近く本朝をうかがふに、承平の将門、天慶の純友、康和の義親、平治の信頼、
此等は猛き心も奢れることも、皆とりどりにこそありしかども、まぢかくは、
六波羅の入道前太政大臣、平朝臣清盛公と申しし人の有様、傳へ承るこそ、
心も言葉も及ばれね。
其の先祖を尋ぬれば、桓武天皇第五の皇子、一品式部卿葛原親王九代の
後胤、讃岐守正盛が孫、刑部卿忠盛の朝臣の嫡男なり。
彼の親王の御子高視王、無官無位にして失せ給ひぬ。其の御子、高望王の
時、初めて平の姓を賜はって、上総介になり給ひしより、忽ちに王氏を出でて』



はろー
え?何してるかって?
そりゃぁもちろん見てわかるでしょ読書だよ。
だって教室いても静かに本読めないもん。
平助が煩いし邪魔してくるからね





『つれづれなるままに
日暮らし硯に向かいて
心にうつりゆくよしなしごとを
そこはかとなく書きつくれば
あやしうこそものぐるほしけれ・・・・』

「ん?そんなところで何してんだ?」





上を見上げるとエロさ満開歩く18禁の左之さんが現れた






『・・・・・・・左之さんだ』

「先生をつけろ先生を」

『本、読んでる』

「無視か。・・・今授業中だろ?」

『新八っつぁんがいないし、教室いても静かに本読めないから。図書室に来た』

「平家物語と徒然草読んでたのか?」

『うぬ、この図書室にある本一応全部読んでしまったし』

「英学本もか?」






うん、と答えると左之さんは驚いた顔をした

そんなに驚く事だろうか

まぁ、確かに約2ヶ月で図書室の本を全て読み尽くすのは異常だと、思う?
自分でもわからない
周りによれば異常だというらしいが





「内容は覚えてんのか?」

『だいたいは覚えてる。』

「じゃあ、徒然草の第二部は?」

『いにしへのひじりの御代(ミヨ)の政(マツリゴト)をも忘れ、民の愁(ウレヘ)、
国のそこなはるゝをも知らず、万(ヨロヅ)にきよらを尽していみじと思ひ、
所せきさましたる人こそ、うたて、思ふところなく見ゆれ。
「衣冠(イクワン)より馬・車にいたるまで、あるにしたがひて用ゐよ。
美麗 を求むる事なかれ」とぞ、九条(クデウ)殿の遺誡(ユイカイ)にも侍(ハンベ)る。
順徳院の、禁中(キンチュウ)の事ども書かせ給へるにも、「おほやけの奉(タ テマツ)り物は、おろそかなるをもッてよしとす」とこそ侍れ。』

「そんじゃ、第四部は」

『後の世(ヨ)の事、心に忘れず、仏の道うとからぬ、心にくし。』

「お前凄いな・・・」





平助にもお前みたいに出来ればいいんだけどな。と困ったように言って頭に手を置いた

まず、平助は本を読むことからダメだろと思いながら





『ね、左之さん、さっき新八っつぁんがジャージのポッケに缶ビール入れてたよ』

「これは、ちゃんと叱らないとな」






新八っつぁんが子どもで左之さんが大人です




『思った先生、何故ここに来たの?』

「職員室に向かう途中で図書室に行くお前を見つけたんだよ」





へぇ〜と言ったあと
あることを考えた


ん?いや、ちょっと待て
職員室は、違う校舎だ・・・・しかもあたしは左之先生がくる1時間半前にはここに居た。先生は今さっき授業が終わったばかりで職員室には戻ってない。はず。

1時間半前のあたしは、その時間の伊藤先生の汚い音楽の授業ほったらかして図書室に来た。
てか、あの人の音楽の授業ってただの汚い音楽講座みたいなもんじゃね?
音楽ナメてるようなもんだよね






『え、先生それ絶対あり得ない。』

「なんでだ?」

『だって先生今日は、授業詰まってんじゃん。授業さっき終わったし、ここに来るの早くない?』

「・・・・・・なんで授業詰まってんの知ってんだ?」

『総司と土方先生の大切なものを取りに行ったとき、時間割があったから』

「はぁ・・・・・、お前また総司と企んでんだろ」

『うん、よくわかったね』






駄目だろ、と軽く頭を叩かれた、地味に痛い





「あ!霖!やっと見つけた!!!」

『あ、見つかった。』





ちょうど悪いところに、平助が走って来る。





「新八っつぁんが、“霖ちゃんはいつも居ない”って泣いてたぜ!」

『いや、知らないし。だって数学出来るからから暇だし。
それではさらばだ左之先生』

「あー!左之さん霖捕まえて!」

「なんだか知らねぇが、一応教師だからな」

『先生、サボってたこと話しちゃうよ?』

「その手に引っ掛かるか」

『じゃあ、土方先生に言っとこ♪』

「それは困るな」





フハハッと勝ち誇った笑みを浮かべた霖は、足早に平助から逃げた。





『さらばだ、平助くん』

「霖!!待てぇぇぇぇ!!!!!!!」





平助も負けじと霖の後を追いかけに行った





「まだまだ子どもだな。よし、俺は新八とこでも行って缶ビール没収してこないとな。」





残された俺は、缶ビールを取り上げるために職員室向かった
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