響想録

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―――………「嬉しい時こそ心から笑いなさい」
そう最期に母が言い残した言葉の意味がわかった気がする。

【嬉しい時こそ心から笑う】

それは、
今、
感情を忘れたあたしにできる唯一の感情
たまには、親の言葉を信じてみるのもいいかもね



想録11












―霖の誕生日会当日―

学園では、霖を除いた12人がせっせと準備をしていた






「これは、こっちでいいのか?」

「あ!平助!お前、俺の競馬新聞取っただろ!!」

「だって新八っつぁん、新聞見てたら絶ーッ対手伝わないじゃん!」

「なんだとー!!!」






平助は永倉の新聞紙を取り上げて逃げ回っている






「新八相変わらず元気だよなー、俺もあんなに走り回る元気分けて欲しいよ」

「お前はただ単にダルいだけだろ、部屋に篭って本ばっか弄ってるからだ。」

「“本は心のご飯”って言うんだぜ、本ばっかじゃ駄目なのかよ」

「お前は、本を読むんじゃなくて修理してんだろーが
・・・・・・・おっと、やべぇ土方さんがキレちまう。眞弥琉、平助をよろしくな」

「なんで俺なの、土方先生の説教なんて喰らいたくないよ。
寿命が縮む、俺の命が土方先生に削られる」

「削られねぇよ馬鹿。取り敢えず、平助頼んだ」

「・・・・はぁ」







土方がキレる前に、暴れ回っている新八と平助を止める眞弥琉と原田






「まぁまぁトシ、そう怒るな。今日は霖の誕生日なんだからな」

「・・・あんたの言う通りだな」

「土方先生」







土方が振り返ると、後ろには山南の姿があった







「山南さん、どうしたんだ?」

「伊月さんのプレゼントはこれでいいでしょうか?」







山南は土方に、小瓶に入った赤い液体を見せた






「「山南先生(さん)!!」」」

「・・・・・・山崎くん」

「山崎!
山南さん、それは駄目だ。
っつうか、それはプレゼントじゃないだろ。それよりマシなプレゼントにしてくれ!」

「・・・・・残念ですね」








土方は山南を止めると、山南はどこかへ行ってしまった
山崎は山南を止めてくれた土方に声を掛けた








「土方先生、山南先生を止めてくださってありがとうございます」

「構わねぇ、ったく油断も隙もねぇな山南さんは・・・・・・」








山南の企みを阻止する二人であった








「総司、南雲、頼んだケーキ買ってきたか?」

「買ってきたよ。ったくなんで南雲薫とお使い行かなきゃならないのさ」

「それは俺の台詞なんだけど。どうせなら、千鶴とがよかった」

「僕は霖ちゃんを迎えに行きたかったな」








ケーキのお使いから帰った沖田と南雲は、互いに睨み合いながら答えた








「仕方ないだろう。雪村は今、霖を迎えに行ってる」

「だからって、女の子一人で行かせるなんて」

「女同士で話したいこともあるだろう、だから雪村に頼んだ」








「それならしょうがないよね」と言いながら、沖田は教室から出ていった
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