影、そんなに薄いですか。
□P.0
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薄桜学園の
図書室の一つ奥にある部屋、保存修復室に
“一人の少女がいる”
そんな噂をこの学校の生徒は言う
彼女を見た生徒は限り少ない
それに、
「彼女は滅多に図書室を出ない」
「委員長会議には出席しない」
「入手困難な本を危険な手段で入手している」
等、色々な噂が起っている
だが、正直言うとそれは全部まるっきりの嘘だ。
ちゃんと帰る家もあるし、
面倒臭いが委員長会議にも放置せずに出席している
本の入手だって危険なルートではなく、
その本を出版した出版会社に連絡して、本の注文をしている
ただ単に私が本を読みたいだけであって
最近の生徒は馬鹿ばっかりなのだろうか?
それとも、頭の螺が錆かけて故障しているのか
『学校の中はいつも何処其処行ったりしているのに』
影が薄いっていうのは自他共に認めている
クラスの奴でさえ、気付かないから
そんな今が何故か楽しいんだ
そしてこれからの楽しい事が面倒事になるなんて
今の私に知る由も無かった