影、そんなに薄いですか。

□P.4
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斎藤side


今日は、土方先生が教えてくださる古典が2時間連続であった
もちろん、授業が2時間ということは今までは無く今日だけ、特別変更授業になったのだ

無論、俺には何の問題も無かったが、何故今日だけ特変授業だったのかを知りたかった

古典の授業が終わった後土方先生に聞いてみると



「新八がいつも借りてる“運がつく本”ってのを処分するとかなんとかっていう会議だな」



永倉先生が借りてるといえば、必ず競馬が当てはまってきた



「何故、その本を処分するんですか」
「新八がずっとその本を返さねぇから・・・・・・、あいつが怒ったんだろう・・・・・・・・・・。」
「あいつ?」
「あぁ、図書室にいつも・・・・否、図書室を根城にして『斎藤くん、土方先生』・・・・・。」



その場に聞きなれない透き通った声が響いた
その透き通った声に周りの奴は気付かない
彼女は土方先生に『本回収』と無表情な顔で言いながら土方先生を見ていた


俺は彼女を見ていると、その視線に気付いたのか彼女は



『なに、初めて見た?』



と無表情な目で見てきた
一瞬、その目に光が灯っておらず何を写しているのか俺には分からなかった

俺は借りていた本を返したあと、土方先生に『職員室寄るから』と言って去っていった



















いつかそのあと俺は、あいた口が塞がらない事になる事を今の俺は知る由もなかった

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