影、そんなに薄いですか。

□P.5
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高校生になれば幾度となくテストがある
課題テストに中間テスト、期末テスト

そしていつもの様に多くのテストで赤点を輩出している者もいる
特に全教科

まぁ、全教科赤点で全教科補習の常連であるヤツが今図書室にいるわけだが



『赤点取るのもいい加減にしてくれない?』
「・・・・・・・・・・。」
『教えるほど暇を持て余してないし』
「・・・・・・・・・・。」
『それに頼まれた本を治す時間が徹夜になっちゃうんだけど』
「・・・・・ごめん」



ヤツとは赤点常連客の藤堂平助だ
嫌味を言いながらも補習教科を教えてあげている。
何せ小学校からの幼馴染みで、何故か放っておけないから
しかも、それがなんだか日常的になってきたかもしれない



「な、なぁ、この平均って・・・・・・。」
『この数字を足して足した数の合計を、書かれてある個数で割れば平均の答えが出る』



ほら答えが出来た。と書くと平助もそれに倣って問題を解いている



「・・・・す、すげぇ!!」
『出来たでしょ。平均の出し方はこのやり方だからね』



平助は一人で解けた事に感動している
そしてだんだんと一人で解けるようになっていった。
解けたのを私に見せ、まるで犬のように目をキラキラさせながら待っていた



『全部丸、よく解けたね』
「おぅ!」



平助は嬉しそうに頭を掻いていた
まるで素直なワンコだ

平助の素直なところは嫌いじゃない、寧ろ好きに値する方だ
だがしかし、平助は優し過ぎるが故に物事をすぐ決断できない、優柔不断なところがある

小中校見てきてずっと感じた事だ。彼が迷った時は背中を押して上げなきゃ、きっと前には進めない



『平助は魁先生なんだからしっかりしなきゃね』
「おう!任せろって!!」



二人で笑ったあと、残りの補習教科を終わらせ本の整理を手伝ってもらった






そのあとのテストはうまく赤点を免れたとか






赤点
(きよら!!)
(何、どうしたの)
(赤点じゃないんだ!)
(!?平助にしてはよく頑張ったね)
(ありがとな!!)
(なんのなんの)



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