影、そんなに薄いですか。
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今月は読書週間です。―――
――読書週間
それは人が読書をする傾向が大幅に減ってきたからである
最近では国語の能力の低下に伴い、間違った単語の意味や四字熟語の使い方が変わってきている
例えば、“潮時《しおどき》”と言う単語の意味を“おわり”という意味で使っている人がいる
分からなくもないのだが、本当の正しい意味は“ちょうど”と言う意味で“おわり”という言い方はしない
つまり、本を読まない人は大抵、間違った意味で単語を覚えてしまうのだ
『と、いつものように語ってしまうのはなぜ』
まぁ、置いといて
そして本を読まない奴が今図書室にいる
『先生だからって本を読まないとか容赦しませんよ』
「読んでんじゃねーか!」
それは永倉新八である
これでもあくまで先生だ
『それは本ではなく写真集です。それにここは学校ですので、そういった雑誌をここで読むのは止めてください』
「いいじゃねぇか、この学校は男子ばっかりでこういうの読みたい奴がいると思うぜ」
私の中じゃレベルの低い先生だと思う
そしてとても運がある人とは思えない人間
『男子は多いですが大抵の男子は家で読んでますよ、それにこの学校はこれから共学校になるんです』
「・・・・・・・・・・。」
無視して如何わしい雑誌を読み始める先生
無視か、いい度胸だな
『では、その本を丸ごと灰にして草木の肥料にしてやりましょうか』
「・・・・・・・・・・。」
『それとも、先生の頼んだ本を全て買い取ってもらいましょう。
あの本達は綺麗なのできっと高値で売れますし、私の仕事代として買い取ってもらった金額全部もらいます』
「・・・・・・・・・・。」
「新八、燃やされたくないならちゃんとしたの読んだ方がいいぞ」
そっと左之先生が新八先生の肩に手を置いた
だが、一向に返事をしない新八先生
先生を覗くと・・・・・・。
「・・・・・zzZZZ」
「お、おい新八・・・・。」
左之先生は私の顔を見ながら冷や汗をたくさん出していた
『では、遠慮なく処分させていただきます』
「・・・新八、可哀想にな」
永倉先生へ左之先生の言葉が聞こえていなかった
読書週間
(・・・左之、)
(どうした?新八)
(あの本どうなった)
(残念だが新八、あの本全部ここの資金にしたぞ)
(ひ、土方さん!?)
(きよらがキレた理由が分かったぜ・・・・。)