影、そんなに薄いですか。

□P.13
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千鶴Side


平助くんと原田先生に突然連行され、今は特別棟2階の家庭科室にいます
なぜ家庭科室なのかと言うと、約10分前に戻ります








―10分前―



「千鶴いきなりで悪ぃがケーキ、作ってくれねぇか?」
「え、いや、あの・・・・。」



どうしたんですか?と原田先生に聞こうとした時、平助くんが教えてくれました

明日は土方先生の誕生日だからバースデーケーキを作って欲しい、との事で
家庭科室に連れてきたそうなんです

今日は部活も休みで薫と一緒に帰ろうと思ってたのに・・・。
薫怒ってるかな・・・・・。



「携帯・・・・・・教室だ・・・・・・。」



携帯に電話しようとしたが、携帯を教室に置いてきてしまった

取り敢えず土方先生のためにケーキ作りを頑張ります!


SideEnd

































××××××××××××××


千鶴がケーキを作っていることも露知らず、きよらは薫の手を引いて歩いていた



『居ないね君の双子の妹さん』
「・・・・・はい」
『心当たりある?』
「いえ、今日は一緒に帰ろうと約束してましたし」



本気で心配しているらしい南雲くん
流石双子の兄といったところだ



『南雲くんは妹思いなんだね』
「え?」
『それも過度のシスコンとみた』
「えと、先輩・・・・」
『雪村さんが羨ましなぁ』



軽く微笑むと、南雲くんはフンッと鼻を鳴らし雪村さんの事について語り始めた

まぁ、その話が結構長いわけで軽く相槌を打って半強制的に終わらせた



『お兄さんがいる人って、どんな感じなんだろうね』
「先輩、お兄さんとかいないんですか」
『居ないねー、居たらこんな性格にならなかったっと思うのに』



自嘲気味に笑いながら哀しい目で空を見上げる

嘘。
居ないんじゃなくて、本当は居た
でももうこの世界には居ない
こんな性格になったのは、兄が死んでからだ

・・・・昔の事を考えるのは止めよう、ただ疲れるだけだ


歩いているといつの間にか職員室
私は、ドアを開けて南雲くんを押した



「えっ!!?」
「お、どうしたー南雲?」



職員室から緑のハチマキをした永倉先生が珍しそうに南雲を見ている



「あ、いや千鶴を見てませんか?」
「千鶴ちゃん?見てねぇな・・・・、でも平助と左之がどっか連れてったぞ」
『どこに連れていったか知らないんだね先生』
「うぉっ!?い、居たのかよきよら!?」



驚く先生を無視して次の場所に向かった











校内にいる千鶴を探せ2
(次は、)
(君の所属している部活)
(・・・・・・・・・・。)
(君は平助と先鋒争いをしてるんじゃないかな?)
(・・・・何で知ってるんですか)
(妹さんにカッコいいとこ見せたいからでしょ)
(・・・・・・・・・・。)
(兄妹の思考って分かりやすい)


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