影、そんなに薄いですか。
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一方、きよら達が去った剣道場では―――。
「眉間に皺を寄せてるといずれ禿ますよ、って土方さんっ・・・・あははっ」
笑いを堪えきれなくなった総司が大爆笑していた
「総司てめぇ・・・・。」
「土方先生の禿た姿見たいです」
「・・・総司、本気で殴られてぇようだな」
「やだなぁ、殴られる事なんてしてないんですけど、ただ僕は
“土方先生の禿た姿が見たい”
って言っただけですよ」
「殴られる要素は十分入ってんじゃねーか!!」
からかう沖田に土方はとうとう堪忍袋の緒が切れたのか、逃げていく沖田を追いかけていった
それを見ていた3人は呆れたようにきよら達が去った方を見ていた
「平助、お前はどうして結城に呼ばれてたんだ?」
「あれだよあれ」
平助は沖田を追いかける土方を見て答えた
「一くん、きよらはともかく、薫に伝えてなかっただろ」
「・・・・すっかり忘れていた」
「きよらに面貸せって言われたとき焦ったぜ」
「まさか千鶴を拐った場面を目の前で見られてたなんてな」
原田と平助は大きい溜め息をつく
「結城のあの体質は理解しにくい」
「急に目の前に来られるとビビるしな。
・・・平助お前、きよらと幼馴染みなんだろ?どうにか出来ねぇのか?」
「出来ねぇよ!小学校からあんななんだよ、・・・・・でも、最近はあれでも、前よりよく笑うようになったんだ」
「「よく笑うようになった?」」
二人は首を傾げながら平助を見た、平助はそんな二人に苦笑しながら説明した
「きよら、小学校からずっと友達なんて居なかったんだ、ましてや作ろうとも思って無かったらしいし」
「あいつの性格から言うと“要らない”“邪魔だから”とか言いそうだよな」
「まさにその通りだよ・・・・・・・・・・。」
平助はガクリと項垂れいた
ふと疑問を思った斎藤は平助に尋ねた
「お前はなんでだ平助?」
「あいつにしつこく付きまとったから」と苦笑した平助
どんな付きまとい方をしていたのか、一瞬気になった原田と斎藤は平助を見た
「え、一くん左之さん、そんなに知りてぇの?」
「「あぁ・・・/あたりめぇだろ」」
平助は小学生時代の事を語り始めた
付きまとい方
(きよらの小学生時代は・・・・。)
(今とは真逆の世界)
(あいつにとって嫌な思い出)
(俺はあいつの笑顔を守りたい)