*Another-Future*
□小さくたって女の子
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「郁、チョコ付いてる」
「え?」
どこ?と小さく紅い舌で唇の周りをチロチロと舐める郁だったが、それは少し離れた場所にある為郁の舌では拭えない。
「とれた?」
「いや、とれてない」
「えー?…ティッシュは?」
そう言ってキョロキョロ辺りを見回す郁だけど、そんな時に限ってティッシュって見つからないものなんだよな。
「ない…」
そろそろ時間がない。
時計を確認した堂上は、郁に手を伸ばす。
唇より少し右のその場所を親指でグイッと拭うと、指についたチョコを迷わず口に含んだ。
「!?」
堂上のその行動に、幼いながらも最近はマセている子供が多いのか、郁は仄かに顔を赤らめた。
「ほら、何固まってんだ。遅刻するからさっさと行くぞ」
「う…うん…」
そんな郁には気付かずに先にリビングを後にした堂上に、郁はパタパタと足音を鳴らしてついていった。
小さくたって女の子
(あなたが初恋の、相手でした)
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
貰い物。
堂上がロリでも、納得しちゃう不思議。