Noir-chai^ne
□Coup de tête――気まぐれ
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そこは『Noir-chai^ne』の音楽番組本番後の楽屋。
「マネージャーちゃぁん、
次の曲は俺たちが作っていいってほぉんと〜?」
「ええ。本当です、楠未さん。
本当ですからマネージャーにまで色気を使わないでください。
吐き気がします」
「そうだ!言っちまぇ!!
真広ばっかり人気者だとかチョーシのってんじゃねーぞっ」
「仕方ない、真広に何を言っても無駄だろう」
相変わらずぎゃぁぎゃぁうるさい人たちですね。
ホントに人気バンドなんですか?詐欺でしょう。
とでも言い出しかねないマネージャーの冷たい視線の中、
人気バンドグループのメンバー6人(騒いでるのは2人+若干1人)はいつもどーりのテンションで
重大発表を、聞いていた。
「はい、静かにしようか。
真広。これ以上はやめなきゃコロスぞー。
来夢。一番人気あんのは彼方だからねー。
忍。2人を放棄すんなー。ちゃんと最後まで相手しろー」
風弥の一言でやっと静かになる。
マネージャーは「はぁああ、」とわざとらしいほど大きなため息をついて、再び話を始めた。
「今回は、De'feuillerというダンスグループとのコラボ企画なのですが・・・知っていますか?」
「ライ知らねー。
なんかすごいのかっ?優勝したとか!」
「来夢くんは勘がほんっとにいいねぇ〜。
知らないってのもどうかと思うんだけどねぇ。
ま、そんなとこだよ。こないだダンスの世界大会あったよね?」
「オレも知らないぜ。ダンスで大会とかあんのかよ」
「仁もけっこう常識はずれだよね〜」
「ケンカばかりしているからだろう」
「じゃあ忍は知ってんのか!?」
「知らん。
西洋のことには興味がない」
「ダンスが西洋っていつの時代だよっ」
「はいはい、終わりだ終わり。
真広は話そらすの天才的に上手すぎるんだよ!
いいな、De'feuillerっつーのは世界大会で優勝した日本のダンスグループだ」
「すっげーけどだから?って感じじゃんっ
何かあんのか?なー、風弥っっ」
「それは・・・「リーダーが」
そこで初めてリーダーの彼方が口を開いた。