*Another-Future*

□その言葉
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「面白かったですねー。あたし久しぶりに映画みましたよー」

「そうか、良かったかな」



秋の風が東京にも降りて来て、最近一段と冷え込みが増して来た、そんな季節。
堂上と郁は、以前行けず自舞だった映画の約束を、半年経った今日、実現させた。
お陰で堂上も郁も始終ニコニコしていて、この約束が2人にとってどれだけ大切なものだったかが伺える。
今2人は、初めてのデートで訪れたあのお店に来ていた。
あの時と同じ席、食後には同じ飲み物を。



「でもすっごい迫力でしたねー、さすがハリウッドですよ」

「まぁな、あれなら全米No.1なのも分かる気がする」

「てゆーか、主演の男優さんメチャクチャかっこいいですよね!なんだっけ…オー…オーラル?」

「…オーランド・ブルームな」

「…っそう!それそれ!!あぁ〜、オーランドかっこいい…」



はぁ〜と長いため息と共に机に突っ伏す郁の様子が、可愛いのに気に障る。
幾らか不機嫌になった堂上は、みっともないから止めろ、と小さく叱り付けた。
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