*Another-Future*

□甘いお菓子を召し上がれ
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 行事もイベントも関係ないのがあたしたちの仕事だから。せめてクリスマスだけはと全日の晩から仕込んでおいた食材を、定時にスッパリ切り上げて猛ダッシュで帰宅、少し遅くなると言っていた篤さんが帰ってくるまでの3時間と少しの間、あたしは食事に掃除にと家中を行ったり来たりの繰り返しだった。
 柴崎に教えて貰ったメチャクチャ美味しいミートローフは綺麗に出来上がったし、ダイニングのテーブルの上にはキャンドルとワインが並んでいる。我ながら粋な計いだなと少々得意になっていたり。
 あとは篤さんの帰りを待つだけだ。そう思うと途端に落ち着かない気持ちになって、玄関とダイニングをまたしても行ったり来たり。何回目か何十回目か。漸く玄関のチャイムが音を立てた。




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