*Another-Future*
□ぐ・り・こ
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「郁おねえちゃん!遊ぼーっ」
「ねぇねぇ、これみてっ」
館内の警備も一段落が付き、少し遅い昼食をとることにした堂上夫妻は、図書館玄関の横に設けられた中庭で足止めを食らっていた。
…夫妻というより、主に夫の方が、だが。
「きゃーっ、凄いすごい!!上手だねぇ」
「えへへー、郁ちゃんなんだよぉ、これ」
「えっ、嘘!あたし!?…うわ〜…すっごく嬉しい!桜ちゃん、ありがとうね!」
「うんっ!」
「ちょ、篤さーん!見て下さいよー。桜ちゃんがあたしの似顔絵描いてくれたんですーっ」
手招きをして大きな声で堂上を呼ぶ、その顔は弛みに弛み切っていて、思わず堂上からも笑みが零れてしまう。
良かったな、と返したら、最上級の笑顔で返してきた。
(…あんまそんな顔、するなよな)
ブツブツと堂上が考えていると、郁は子どもたちと一緒にグリコをし始めた。
小さな子どもたちの為に、わざと歩幅を合わせてぴょんぴょん飛び跳ねている。
(図体でかい兎…みたいだ)
あんまりな評価にくつくつと一人笑いを堪えている堂上は、流石に傍目から見たら気持ち悪い。
そんな堂上を知ってか知らずか、郁は堂上が止めに入るまでずっと飛び跳ねていたそうな。
ぐ・り・こ!
(…って、そしたら俺は亀か!?)
(…どうしたの、篤さん?)
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
貰い物。
郁ならあり得るww