シリーズもの&中編
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恋って楽しいものなんだって、そう思ってた。
でもホントはこんなにつらくて悲しくて苦しいものなんだって知った。
「Good morning!杏。」
背中にかかる愛しい声。
この思いは伝えられない。
「おはよう、政宗。」
私と政宗は自分で言うのも変だけど、正直言って友達以上の関係だ。でも、恋人ってわけでもない。
政宗の恋人は私じゃない。
うぅん。私だった。
私と政宗は高校に入学してすぐに知り合った。
同じクラスで席が近くて、よく話すようになってどんどん政宗に惹かれていくのがわかった。そんなある日、勇気を出して政宗に気持ちを伝えた。政宗の答えは、
「俺も杏のこと好きだったんだ。俺が先に伝えなきゃいけなかったのに、、、、、いわせてごめん。」
と驚くことにOKで両思いだったと知った。
このときまでは恋がすごく楽しくてぜんぜん辛い思いなんてすることがなかった。
でも、そんな幸せなんて長くは続かないって知った。
いじめだった。
政宗は顔もカッコイイし、運動神経も良くて女の子の憧れの的だった。そんな政宗とこんな私が付き合うことになったのだから周りの女子がよく思うはずなんてない。誰にも分からないように陰湿ないじめが始まった。
―――政宗と別れないと政宗にも危害が及ぶことになる
ある日届いた脅しの手紙。
嘘だって分かってても従わずにはいれなかった。だってほんとに嘘だなんて証拠がどこにもなかった。
――あいつらならホントにやるかもしれない。
政宗が傷つくとこなんて見たくなくて私は政宗と別れた。
でも、それが一番政宗を傷つけることになるなんて―――
そのときの私は思いもしなかった。
政宗は必死に
「別れたくない!」
と伝えてくれたけど私には無理だった。
今さらそんなこといったらあの子たちに何されるかわかんない。
結局は自分を守りたくて政宗と別れたんだ。
でもね、、、
今でも政宗のこと想ってるよ。
政宗がまだ、、、私のこと好きでいてくれたのなら、もう一度やり直したい。
好きだよ、政宗。
それは胸の奥に封印した届くことのない想い。
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あとがき
ここまで読んでくださって有難う御座いました。これからはこの拍手で更新していきたいと思います。
ヒロインちゃんは政宗のことを分かれた今も想ってます。一途な女の子って可愛いですよね。
これからも頑張って更新していこうと思います!