シリーズもの&中編
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もともと佐助君とは仲がよかった。
クラスも一緒でよくしゃべってたし、政宗と付き合ってたときもいろいろ相談にのってもらったりとか…。でも、恋愛対象とかそういうふうに見たことは無くて。
でも、今は、
優しい佐助君の温もりに包まれて、
ただただ、落ち着いて
今は、
君にこの身をゆだねている。
「杏ちゃん、どうしてこんなことに?話しづらいことなら別に無理してまで話してくれなくても大丈夫。だけど、これだけは覚えてて。俺様はいつだって杏ちゃんの味方でいつだって話を聞くよ。」
本当に佐助君は優しい。
「さ、佐助、、くんッ。」
その言葉が嬉しすぎて温かすぎて忘れかけた優しい気持ちになって涙が溢れた。
佐助君になら、、、話せる!
「佐助、君。あ、あのね…。」
それから私は全てを話した。何も嘘をつかないでそのままのことを。そのままの私の気持ちも。
泣きながらだったから聞きづらかったと思う。
それでも佐助君は頷きながら優しく聞いてくれた。ただ、聞いてくれた。
話し終えた私をまた抱きしめて。
「きつかったね、今まで。でもね、さっきも言ったけど俺様は杏ちゃんの味方。いつでも傍にいるよ。だから安心して。独りだなんて思わないで。」
もう泣かない理由が見当たらなかった。
佐助君にすがり付いてずっとずっと泣いていた。
佐助君は頭を撫でて「大丈夫、俺様がいるから。」と優しく言ってくれていた。
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ひとしきり泣いて、恥ずかしくなった私。
「なんかみっともないトコ見せちゃったね。」
俯きながら言った私に
「そんなことないよ。気持ち聞けてよかった。」
とまた優しく返してくれる佐助君。
そういえば私佐助君に「政宗のことまだ好き」って言っちゃったんだっけ。
1人で思い出して勝手に恥ずかしくなる私。
グイっ
不意に腕を引かれ俯いてた顔を上げた時、
「っ!!!!」
唇に感じたかすかな温もり。
瞳に映るは佐助君の顔。
びっくりして思考が完全ショート。
今のは、、、き、、キ、、
「そう、キスだよ。」
いつものように飄々(ひょうひょう)と言ってのける佐助君。
真っ赤になった私に佐助君から衝撃の一言。
「俺様ずっと杏ちゃんのこと好きだったんだけどな。」
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あとがき
佐助君ついに言っちゃました。
物語が動き出す予感ですね。
ただ、私はあんまりドロドロしたのは好きじゃないのであくまで爽やかに学園恋愛なので青春っぽく仕上げたいですね。
ヒロインちゃんの揺れ動く心情を上手く表現していきたいですね。
ここまで読んでくださった皆さん有難うございました。