短いお話
□俺だけ見てろよ
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政宗サイド
最近、彼女の様子がおかしい。
いつもボォっと物思いにふけっている。
「Hey!杏。どうしたんだ?」
って聞いても
「へ?なんでもないよ。」
って返ってくるだけ・・・・
やっぱり変だ・・・・
学校に着くと
杏と猿(猿飛佐助)が仲良さそうに話し始めた。
「ねぇねぇ。佐助。今日さぁ、ちょっと一緒に買い物しない?」
「まじ!?俺様と!?竜の旦那じゃなくていいの?」
「うん!佐助と・・・・・・
それから先の会話は聞こえなかった。
きっと俺が聞きたくないって思ったからだと思う。杏と付き合うようになって俺は自分が嫉妬深かったことに気づいた。そしてそれは相当重症だって。
なんだよ・・・
意味分かんねぇ・・・・
杏の彼氏は俺じゃねェか・・・・・
もう俺のことなんてどうでもいいのか?
「ッ――――」
まさかここまでショックとはな。
「クソッ―――」
今日は杏に優しくできそうにねぇ。
俺は適当に授業を受けてさっさと帰ろうと思った。
♪〜♪〜♪〜
携帯がなった。どうやらメールが来たらしい。
[杏]とディスプレイに表示される。
なんだよ・・・って少しイラつきながらもチェックしてしまう。これだからダメなんだろうな。イライラしてても杏のこと気にしている自分がいる。いったい俺は何がしたい?もしかしたら、さっきの会話のことか?なんて淡い期待を持ちながら・・・・
が、そんな俺の期待は一瞬で消え去った。
「今日は一緒に帰れないんだ。ゴメンネ!」
理由も俺には教えないつもりか・・・・
もう俺のことなんてなんとも思ってないのか?
消えかけた黒いものがまた沸々と心の奥底に沸き上げてきた。沈んだ気持ちを抱えたまま家に帰った。
家に帰ってからもイライラは続いた。
きっと今ごろ杏は猿と楽しく買い物してんのか・・・・
また腹の底からどす黒い何かが湧きあがってくる。
俺はこの正体を知ってる。
嫉妬
男の嫉妬なんてみっともないって事ぐらい分かっているつもりだ。
でも今は気持ちを抑えられそうにない。