捧げ物
□ぬくぬく
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―…。
冷たい風に身を縮めれば、隣を歩く綱海さんが「さみっ」と呟いた。
「綱海さん、寒さ弱いんですか?」
そう問いかければ、
「俺は海の男だからな」
と、答えになっているのか疑問な回答が返ってくる。
「マジさみー」
「余計寒くなるんで寒いって言わないでくださいよ」
私だって寒いんですから。
そう口にすると、綱海さんはでもよー…と不満そうな声を上げた。
「こんだけ寒いと思わず口から出てくるって」
「はいはい」
もう…と思いながら、私より高い位置にある綱海さんの顔を見上げれば、少し困ったように笑っていた。
「…あ、」
「?」
さて、どうしようかなんて考えていたら綱海さんが何か思いついたような声を上げたので首を傾げれば、「ちょっと手出せ!」と言われる。
「…?」
疑問に思いながらも手を出すと、ガシっと掴まれた。
「え!?」
「こうして繋いだ方があったかいだろ?」
ニカっと爽やかに笑う綱海さんにそれはそうですけど、と言うと、綱海さんが少し不安そうな顔をした。
「…嫌か?」
「いや、そういうわけでもないですけど…!」
「けど?」
嫌じゃないということを伝えれば、訊き返される。
「けど…あはは」
笑って誤魔化すも、興味津々な顔で見てくる。
なんでもないです、と言っても、綱海さんは食い下がろうとしない。
「途中で言いかけたら余計気になんだろ?」
「そう言われても…」
しかし綱海さんが諦める気配が一向にないので、ついに私が根負けした。
「…いきなりだったから、まだ心の準備ができていなかったんです」
「なんだ、そっか!」
「は?」
この言葉を言うのは結構恥ずかしかったのに、左程気にしていないような綱海さんの返事に思わず聞き返せば、まあよ、と綱海さんが続けた。
「それはちょっと悪かったと思うけど、こうすれば心もあったかいだろ?」
ぬくぬく
その通りだけど、お願いだからそういうことを真顔でサラリと言わないでください。
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綱海…これ、ほのぼの甘かな?
ちなみにこの舞台が沖縄かどうかは私もわかりません(´・ω・`)←待て
いつでも書き直し受け付けます!
では、キリリクありがとうございました!