イナイレ
□たまには
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「何をやってるんだお前は」
「入ってくるなりそれ?」
俺がナマエの部屋に入って最初の言葉があれだ。
だが、床に大の字に寝転んでいるナマエを見たら、あの言葉は当然出てくるだろう。
もう一度何してるんだと訊くと、
「暑いから寝転んでるの。下の方が涼しいじゃん。床冷たいし」
とナマエは文句あるのかという顔で答えた。
「…」
確かに今日は暑い。
暑いが、普通寝転ぶか?
もっと、うちわとか扇風機とか…
「風丸も寝っ転がってみたら?気持ち良いよ」
「は?俺?」
そう来るとは思わなかった。
思わず素っ頓狂な声が出る。
「ほら」
本当に女かと思うような力で下から引っ張られ、危うく床にダイブしそうになるのをナマエが受け止める。
「おい…っ」
「うっ」
予想以上に衝撃が大きかったらしい。
ナマエの口からうめき声が漏れた。
「大丈夫か…?」
そう言いながら、ナマエの上から退いて横に寝転ぶ。
確かに、床が冷たくて気持ち良い。
「なんとか…ね。…涼しいでしょ?」
「あぁ」
たまには
ベッドじゃなくて、床もいいかもしれない。
いかがわしいことを考えてたら、思いっきりビンタされた。