イナイレ

□褒め言葉
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「ナマエさん、上手ですね!」

「えへへ、そうかな」

そう春奈ちゃんに褒められた私の手には、焼きあがったクッキー。

春奈ちゃんが「たまには私たちがおやつ作りましょう!」っていう提案をしたから、今日は中の仕事担当だった春奈ちゃんと私で作ったわけなんだけど。

今までも家でお菓子作りはしたことあったから、その甲斐もあってか見た目はまあまあよくできた。

でも、問題は中味なわけで…

試しにひとつ、食べてみる。

「うーん…」

悪くはない。でも、ちょっと甘かったかなぁ…とか考えてると、練習を終えたらしくみんなが食堂に入ってきた。

「今日のおやつなに〜?」

「私たちの手作りクッキー!」

木暮くんに訊かれて春奈ちゃんが答えれば、「おぉ〜」という反応。

「ナマエと音無が作ったのか?」

「そうです!…あ、ちなみに、普通のが私でチョコチップ入りのがナマエさんが作りました!」

「へぇ〜」

すると、綱海さんが近づいてきて、手を差し出した。

「くれよ」

「え…ちょっと甘くなっちゃったんですけど…」

「大丈夫だって。そんなの、海の広さに比べたら…」

「比べるもの、間違えてません?」

最後まで聞かず遮れば、気にすんな!と笑われる。

「それに俺、甘いの好きだし」

そう言うと、私の持つお皿にのっていたクッキーをひとつ、つまんで口に運んだ。

「…。」

「…?」

この微妙な間はなんだろう。




「美味い!!」

やっぱり甘すぎたんじゃ…と不安に思っていると、綱海さんが叫んだ。

「え…ほ、ホントですか!?」

褒められて、当然悪い気はしない。

むしろ嬉しすぎる。

でも…



褒め言葉


「こんな美味いもん作るお前は、俺が嫁にもらってやる!」

そこまで言われたら、顔が赤くなるのはしょうがないと思うんだ。


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