イナイレ

□夕焼けの中で
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「何見てんだ?」

「夕日」

浜辺に腰を下ろして夕日を眺めているナマエを見つけ、サーフボードを担いだまま話しかけた。

「ここから見る夕日は最高だよな」

そう言いながら、俺も隣に腰を下ろす。

「うん」

夕日から目をそらさずそう答えるナマエの横顔が、俺の知っているそれより綺麗に見えて。

不覚にも、きゅんときた。

…何考えてんだ、俺…

そんなことを考えていると、ナマエが俺の方を向いた。

「っ」

「なんでそんなびっくりしてんの」

「…悪い」

「あはは…」

しかし、ナマエはそれだけ言うとまた夕日の方を向いた。

「…どうしたんだよ?」

「んー…夕日を見るとさ、心を洗われるっていうか、なんか嫌なことがあっても忘れられるじゃん」

「ああ」

夕日に視線を向けたまま言うナマエの方を向き、相槌をうつ。

「でさ、他にも、こんな感じのあったな、って思って」

「他にも?…海とかか?」

そう訊けば、まあそれもそうだけど…と返される。

なんだよ、という目で見れば、ナマエは困ったような顔で笑った。




「綱海がサーフィンやってる姿ってすごい楽しそうだから、それ見てると嫌なこととか消えちゃうんだよね」



夕焼けの中で

柄にもなく俺の顔が熱いのは、夕日のせいだと信じたい。

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