イナイレ
□ヒマワリ
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「誰見てるの?」
「え、別に誰も…」
「ナマエさん、嘘ついちゃいけませんよ!私たちにはお見通しです!」
みんなが練習中のベンチ。
ドリンクやタオルの準備が終わって一息ついていたら、秋さんがナマエさんに冒頭の質問をした。
前から秋さんと2人でナマエさんがいつも見てる人について話したりしていて、「あの人じゃ…」という結論が出たため明日訊いてみようか、なんて話を昨日してた。
だから、私たちの推理は合っているのか!?みたいなノリで訊いてみたのである。
「なら、当ててあげようか?」
「え?」
「風丸さんですよね?」
「…なんでわかった?」
再び誰を見てるか、という聞き方をしても最初のようになると思ったのか、秋さんが名前を出してイエスノー作戦を決行した。
(ちなみに今名付けました)
すると、ナマエさんは諦めたのか逆に質問してきた。
「だって、ナマエちゃんが風丸くん見てるとき、目で追いかけるスピードが早いもん。だから、そんなに早く走れるのは風丸くんかなぁ、って」
「マジで?」
2人でイエイ、合ってた!とハイタッチすれば、驚いた顔で言う
ナマエさん。
ナマエさんはそんなに目で追ってたかな、なんて呟いていたけど、秋さんが「あ、もうそろそろ休憩だね」と呟いて、この話はここまでとなった。
「タオルとドリンクくれ」
「はい」
「サンキュー」
そして、今日も風丸さんはナマエさんのところへタオルとドリンクを貰いに行く。
その光景を見て、私と秋さんは顔を見合わせて微笑んだ。
そうしたらお兄ちゃんに首を傾げられたけど、気にしないことにする。
練習が再開しても、やはりナマエさんは風丸さんのことを目で追っていて。
さっきは時間がなくて言えなかったけど、練習中、風丸さんもちょくちょくベンチの方を向いたりしてる。
ナマエさんがたまたま何か仕事をやっていたりして目が合うことは少ないみたいだけど、ナマエさんが頑張っている姿を見てよし、と1人で頷いて練習に戻る。
そんな微笑ましい光景を見て、秋さんが呟いた。
ヒマワリ
「なんかあの2人
、ヒマワリみたいよね」
「でも、どっちが太陽でどっちがヒマワリだかわかりませんね」