イナイレ
□風になろうよ
1ページ/1ページ
「はぁ」
思わず口から漏れる溜め息。
それを聞き漏らさなかった風丸がどうした、と反応してくれた。
「体育祭」
「は?」
「全員リレーあるじゃん…」
後2週間で体育祭があり、その種目には私の苦手なリレーがあるのだ。
「いいじゃんか、リレー」
「あんたは速いから…!」
何言ってんだお前、みたいな感じで言われ、反論する。
すると、風丸は首を傾げた。
「でもお前、遅くはないよな」
「そうっちゃそうだけど…」
自分で言うのもなんだが、そこまで遅くはない。
しかし、やはり運動部には勝てないわけで。
「抜かされるのヤだもん」
「負けず嫌い…」
そして少し考えるような仕草をした後、風丸は私の手を引いた。
「え?」
「俺が教えてやる」
「…マジで?」
「ああ。俺も、彼女が活躍するところ、見たいからな」
風になろうよ
「あ、でも活躍したら他の男が惹かれるんじゃ…」
「風丸、その心配は要らないと思う」