イナイレ

□風になろうよ
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「はぁ」

思わず口から漏れる溜め息。
それを聞き漏らさなかった風丸がどうした、と反応してくれた。

「体育祭」

「は?」

「全員リレーあるじゃん…」

後2週間で体育祭があり、その種目には私の苦手なリレーがあるのだ。

「いいじゃんか、リレー」

「あんたは速いから…!」

何言ってんだお前、みたいな感じで言われ、反論する。
すると、風丸は首を傾げた。

「でもお前、遅くはないよな」

「そうっちゃそうだけど…」

自分で言うのもなんだが、そこまで遅くはない。
しかし、やはり運動部には勝てないわけで。

「抜かされるのヤだもん」

「負けず嫌い…」


そして少し考えるような仕草をした後、風丸は私の手を引いた。

「え?」

「俺が教えてやる」

「…マジで?」

「ああ。俺も、彼女が活躍するところ、見たいからな」




風になろうよ

「あ、でも活躍したら他の男が惹かれるんじゃ…」

「風丸、その心配は要らないと思う」


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