イナGO
□約束
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「で、ナマエはどうするんだ?」
神童くんが私の目を見て訊く。
何をどうするのかと言うと、マネージャーを続けるか辞めるか、ということ。
先程、シードの剣城との試合でたくさんの負傷者が出て、ほとんどの部員とマネージャーが辞めていった。
私は…
「お前も辞めろ」
続けます、と言おうとしたら、南沢先輩の言葉に遮られた。
私に向けられていた視線が一斉に先輩に集まる。
「私は…続けたいです」
「いや、駄目だ」
「なんでですか」
当然の疑問。
問い掛ければ、先輩は少し目を伏せて答えた。
「ナマエを…危険な目に遭わせるわけにはいかないだろ」
…でも、そうしたらマネージャー志望で入ってきた空野さんはどうなるのか。
そうきけば、「それは…」と先輩は言葉に詰まった。
「それに、私がいなければ誰が空野さんたちに仕事を教えるの?」
「…」
「大丈夫。先輩に心配はかけさせないから」
そう言って笑えば、先輩は諦めたようにそっぽを向いた。
約束
「…心配させたらお仕置きだからな」
じゃあ、お仕置きされないように頑張るとするか。