イナGO
□でも、実は
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「ちゅーかさ、浜野って好きな人とかいんの?」
「…え?どうしたの急に」
「いや、口癖取るなってツッコんであげましょうよ」
給食の時間。
いつもは俺と速水で食べてるとこにナマエが入ってきたからどうしたのかな〜とか考えてたら、突然冒頭の質問をされた。
「気になったから」
「はは、そっか。でも、なんで俺だけなの?速水は?」
3人で食べてるんだから、やっぱりちょっと疑問に思う。
「だって速水のは知ってるもん。ねー?」
「はい」
「な、いつの間に…」
ちゅーか、速水好きな奴いたんだ。
そう言えば、僕たちあんまこういう話はしませんもんね、と言われた。
「でさ、浜野はいるの?」
最初の話題に戻る。
「うん、いるよ」
「「え゛?」」
別に隠すことでもないかな〜って思って、サラッと言うとすごい声で驚かれた。
「すごい声出てるよ」
「ごめん…いや、いると思わなくて」
「自分から聞いといてなんだよー」
そう言って笑えば、ごめんごめん、と笑われる。
「ちなみにさ、教えてって言えば教えてくれる?」
「僕も知りたいです」
「いいよ。もうそろそろ告ろうと思ってたし」
「マジ!?」
でも、流石に此処で言っちゃうのはマズいかな、って思って周りを見渡してみたけど、嬉しいことにクラスのみんなは各々のお喋りに夢中のようだった。
「実は一年のときから好きだったんだけどさ、」
「うん」「はい」
「ナマエなんだよね、俺の好きな人」
「へぇ……え?」
「浜野…やりますね」
ナマエはまだ理解できてないみたいだけど、速水はニヤッとした。
「だからさ、付き合ってくれる?」
そう言えば、ナマエはやっと理解できたみたいで頬を赤く染めた。
「マジ…だよね?」
「当たり前じゃん。返事、くれる?」
「…私も、浜野のこと好きだよ」
「ありがとう」
でも、実は
前に南沢さんから両思いだって聞いてたんだよね。
そうじゃなきゃ、こんな大胆には告白できないかな。