イナGO
□背中越しの告白
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「なんか…ずるいな」
月山国光との試合が終わって、南沢さんと神童くん、天馬くんたちが話している。
それをベンチで眺めながら一人呟けば、隣にいた一乃くんが「行かないの?」と訊いてきた。
「うーん…でも、行っても何を話したらいいのか…」
「お疲れ様、だけでも南沢さんは喜ぶと思うよ?」
ホラ、と肩を叩かれて、立ち上がる。
「え、ちょ…」
「行ってきなよ」
戸惑いつつも、一乃くんと青山くんの笑顔に見送られて南沢さんの側へ歩く。
「南沢さん」
声をかければ、私の方へ顔を向けてくれた。
しかし、すぐに少し気まずそうな表情に変わる。
「…よお」
「試合、お疲れ様でした」
「ああ、ありがとう」
そこで、会話が途切れる。
南沢さんが雷門にいた頃は、普通に仲はよかった。
南沢さんが雷門を去った後、たまにメールで連絡はとっていたから、対戦相手になったと知ったときもみんな程の驚きはなかった。
口止めされていたから神童くんたちに南沢さんの近況を言うことができなくて、辛いこともあったけど。
でも、いざ再び会ったら懐かしいとかより嬉しいっていう感情の方が大きくて。
やっぱりこの人のことが好きなんだな、と実感する。
「…ホント、馬鹿だよな」
「そうですよ…」
自嘲気味に笑いながら呟いた南沢さんに頷けば、「いや、そういうんじゃねえよ」と言われた。
「え?」
訳がわからず聞き返す。
「神童たちのやろうとしていたことに気づいたことじゃなくて、今頃お前の大切さに気づいたことだよ」
「それは、どういう…?」
ますます意味がわからなくなり再び聞き返せば、南沢先輩はだから、と言いながら私に背を向けた。
「いつも、ナマエがいるのがあたりまえだったんだ。それが、月山国光に来てあたりまえじゃなくなって。そこでやっとナマエの大切さに…気がついたんだ」
「…?」
「それは選手とマネージャーの関係とかじゃくてさ。…だから、」
背中越しの告白
「ナマエ。俺の女になれ」
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何がしたかったんだ私ィィィイイイ!←
何だこの中途半田…中途半端な終わり方orz